大阪中之島美術館にて、2026年8月21日から9月27日まで、オランダの名品が集結する「フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展 17世紀オランダ絵画の名品、奇跡の再来日」が開催されます。
9)キービジュアル
オランダのハーグにあるマウリッツハイス美術館は、主に17世紀のオランダ・フランドル絵画の優れたコレクションで知られています。
なかでも《真珠の耳飾りの少女》は、原則として館外へ貸し出されない至宝です。今回は同館の改修工事に伴う臨時休館により、実に14年ぶりとなる再来日が実現しました。
同館のマルティネ・ゴッセリンク館長は、この作品を海外へ送り届けられる「おそらく最後となるであろう特別な機会」であると語っています。

本展では、フェルメールの代表作をはじめ、マウリッツハイス美術館が所蔵する12点の名作が来日します。
歴史画や風俗画など6つのテーマを通して、来場者を17世紀オランダ絵画を巡る贅沢な旅へと誘います。
8)マウリッツハイス美術館
マウリッツハイス美術館 © Mauritshuis, The Hague

「オランダのモナ・リザ」とも称される傑作《真珠の耳飾りの少女》
本展の主役は、ヨハネス・フェルメールによる《真珠の耳飾りの少女》です。
フェルメールが33歳の頃に描いた本作は、特定の人物ではなく性格やタイプを表現する「トローニー」と呼ばれるジャンルに属します。
わずかに開いた口元や、潤んだ瞳でこちらを見つめる少女の表情が、見る人を引きつけます。
少女が巻いている鮮やかな青いターバンには、当時非常に高価だった「ラピスラズリ」を原料とする顔料が使われています。暗い背景の中で、大粒の真珠の耳飾りがわずかな光を反射して輝く様子は、フェルメールの優れた光の表現技術を物語っています。
「オランダのモナ・リザ」とも称される傑作の輝きを、ぜひ間近で体感してください。
1)真珠の耳飾りの少女
ヨハネス・フェルメール 《真珠の耳飾りの少女》1665年頃 油彩、カンヴァス 44.5×39.0 cm   
マウリッツハイス美術館 © Mauritshuis, The Hague

フェルメール初期の傑作《ディアナとニンフたち》
本展では、マウリッツハイス美術館が所蔵するフェルメール作品3点のうち2点が揃って展示されます。フェルメールの作品は現存数が少なく、そのなかで2点が同時に来日するのは、まさに奇跡的といえるでしょう。
《ディアナとニンフたち》は、20歳代前半に制作されたと考えられる初期の代表作です。
古典神話に登場する月の女神ディアナが、侍女であるニンフたちと森の空地で穏やかに過ごす様子が描かれています。のちに室内風俗画へと転向する前の、若き日の画風を伝える貴重な作品です。
2)ディアナとニンフたち
ヨハネス・フェルメール 《ディアナとニンフたち》1653-1654年頃 油彩、カンヴァス 97.8×104.6 cm 
マウリッツハイス美術館 © Mauritshuis, The Hague

若きレンブラントが描く豪快な笑い
17世紀オランダを代表する多才な芸術家、レンブラント・ファン・レインによる《笑う男》は、若き日の彼が描いたトローニーの傑作です。男の豪快な笑いを自由で表現力豊かな筆致で見事に捉えています。
金箔を貼った銅板という珍しい支持体(画材を塗る基盤)や大胆な技法から、若きレンブラントが絵画表現の可能性を模索していた姿勢が伝わってきます。
6)笑う男
レンブラント・ファン・レイン《笑う男》1629-1630年頃 油彩、金箔で覆った銅 15.3 x 12.2 cm
マウリッツハイス美術館 © Mauritshuis, The Hague

当時の日常を描いた風俗画の名品
17世紀オランダの風俗画を代表する巨匠、ヤン・ステーンの《老いが歌えば若きが笛吹く》は、にぎやかな家族の宴会の場面を描いた作品です。
当時広く知られたことわざを主題としており、大人が正しい手本を示さなければ子どもは悪い行為も模倣してしまうという教訓が込められています。画面中央では、画家自身の姿をした人物がパイプを吸い、まさに「悪い手本」をユーモアたっぷりに示しています。
ステーンが最も充実した活動を行った時期の代表作のひとつで、力強い構図と人間味あふれる表現により、当時から傑作として高く評価されました。
3)老いが歌えば若きが笛吹く
ヤン・ステーン《老いが歌えば若きが笛吹く》1663-1665年頃 油彩、カンヴァス 83.8×91.9cm 
マウリッツハイス美術館 © Mauritshuis, The Hague

精緻な観察眼が光るオランダの農村風景
動物画家として知られるパウルス・ポッテルは、28年という短い生涯に約100点に及ぶ多彩な作品を残しました。とりわけ牛の表現に優れており、《水に映る牛》では、牧草地で憩う牛たちの姿を、水面に映る反影とともに精緻に表現しています。
乳搾りをする女性や水浴びを楽しむ人々の姿も描かれ、当時の農村生活が鮮やかに描写されています。
4)水に映る牛
パウルス・ポッテル《水に映る牛》1648年 油彩、板 43.4×61.3cm   
マウリッツハイス美術館 © Mauritshuis, The Hague 

女性画家の先駆者が描く華麗な花
当時のオランダでは、特定の分野に特化した専門の画家たちが活躍しました。
女性画家の先駆者であるマリア・ファン・オーステルウェイクは、17世紀に花の絵で国際的な名声を博し、各国の王侯貴族に作品が収集されました。
《装飾的な壺の花》には、神の存在を象徴するヒマワリや、闇に結びつけられるケシ、欲望を表すヴィーナスなど、多様なモチーフが巧みに組み合わされています。緻密で美しい描写の中に宗教的なメッセージが込められた見応えのある作品です。
5)装飾的な壺の花
マリア・ファン・オーステルウェイク《装飾的な壺の花》1670-1675年頃  油彩、カンヴァス 62.0×47.5cm   
マウリッツハイス美術館 © Mauritshuis, The Hague

想像と写実が融合した壮大な聖堂
17世紀オランダを代表する建築画家、エマヌエル・デ・ウィッテは、写実的表現と豊かな想像力を融合させた作風で、オランダの教会内景画の革新者の一人とみなされています。
空想上の教会を描いた《想像のカトリック聖堂の内部》は、壮大な建築美や巧みな光の効果、教会内の人物描写が見どころです。
当時のオランダではカトリックの信仰が制限されていたため、このような堂々たる聖堂は現実には存在しませんでした。教会の雰囲気や光、人々の姿に深い関心を寄せていた画家の独創性が際立つ名作です。
7)想像のカトリック聖堂の内部
エマヌエル・デ・ウィッテ《想像のカトリック聖堂の内部》1668年 油彩、カンヴァス 110.0×85.0cm
マウリッツハイス美術館 © Mauritshuis, The Hague

名画の世界に没入する映像体験
最新のデジタル技術を用いた映像体験も楽しめます。会場には全長20メートルにおよぶ巨大スクリーンが設置され、フェルメールの生涯と彼が描いたモチーフを全作品を通してたどることができます。
世界中に点在する全作品が実際の比率に基づいて集結するほか、通常では見ることができない拡大投影によって《真珠の耳飾りの少女》の魅力に迫ります。
デジタルならではの迫力ある映像表現は、名画鑑賞への期待を一層高めてくれるはずです。

ミッフィーやフリーレンとのコラボも
本展をさらに楽しむためのタイアップ企画も充実しています。
オランダ生まれのミッフィーがアンバサダーを務め、特設ショップでは《真珠の耳飾りの少女》と同じ衣装を身にまとった「真珠の耳飾りのミッフィー」のぬいぐるみなどの限定グッズが販売されます。
さらに、ドイツのシュニール織ブランド「FEILER(フェイラー)」とのコラボハンカチや、人気作品『葬送のフリーレン』の描き下ろしイラストを使用したオリジナルグッズも登場します。
10、フェルメール展_ミッフィー広報画像(KV)

11、フェルメール_ミッフィー広報画像(ぬいぐるみ)
展覧会オリジナル「真珠の耳飾りのミッフィー」 
ぬいぐるみ(写真左)5,500円(税込) マスコット(写真右)2,860円(税込)

12、フェルメール展_フリーレン広報画像
『葬送のフリーレン』描き下ろしイラスト ©山田鐘人・アベツカサ/小学館

作品への理解をさらに深めるには、公式ガイドブックがおすすめです。
フェルメールの43年の人生や全作品の解説に加え、篠原ともえさんやCocomiさんのインタビュー、さらに直木賞作家・米澤穂信さんによる特別寄稿など多彩な内容が収録されており、読み応えのある一冊となっています。

日時指定制のチケット情報
今回の展覧会は、チケットが日時指定制です。
通常のチケットのほか、講演会やレクチャーがセットになった限定チケットもチケットぴあにて抽選販売されます。
最新の販売状況や詳細は、展覧会公式サイトを確認してください。

2026年の夏、大阪・中之島に珠玉の名画が集います。フェルメールをはじめとするオランダ絵画の傑作に囲まれる特別なひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

【開催概要】
展覧会名:フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展 17世紀オランダ絵画の名品、奇跡の再来日
会期:2026年8月21日(金)~ 2026年9月27日(日)会期中無休
会場:大阪中之島美術館 5階展示室(大阪市北区中之島4-3-1)
開場時間:午前9時30分~午後5時(入場は午後4時30分まで)
夜間延長:8月28日、9月4日、9月11日、9月18日~9月27日は午後8時まで(入場は午後7時30分まで)
入館(観覧)料:一般 3,000円、高大生 1,500円、小中生 500円(税込、日時指定制)
展覧会公式サイト:https://vermeer2026.exhibit.jp/