2026年、昭和が100年という節目を迎えるのを記念し、京都・嵐山の福田美術館で「昭和100年記念 あの頃は~栖鳳・魁夷・又造らが起こした昭和の風~」が2026年1月31日から4月12日まで開催されます。本展では、戦争、復興、高度経済成長、バブル景気と、激動の時代であった昭和の64年間に描かれた日本美術に焦点を当て、時代ごとの変遷を100点(うち初公開30点)の作品を通じてたどります。

昭和の風~戦前・戦中~
第1章「昭和の風~戦前・戦中~」では、竹内栖鳳や横山大観らが円熟期を迎えた戦前と、厳しい戦争の影が落ちた戦中の作品が紹介されます。戦前は暮らしの様式がまだ和風で、床の間や座敷に飾る掛軸や屏風が重宝されていました。しかし戦中になると、勝利を願う富士山や神社、八咫烏(やたがらす)といった信仰の対象が多く描かれるようになり、戦争の影響は芸術にも及んでいきました。
終戦の年に逝去した橋本関雪は、「戦時を描く必要があるならば自分に依頼を、そして、その分だけ若い作家には自由な学びの機会を」と訴えました。そんな彼の晩年の想いが込められた作品も登場します。

竹内栖鳳《富嶽》昭和2年 福田美術館蔵 前期展示

小杉放菴《山童嬉遊図》昭和4年 福田美術館蔵 前期展示

橋本関雪《俊翼》1941年 福田美術館蔵 前期展示
昭和の風~戦後~
続く第2章「昭和の風~戦後~」では、日本画壇に吹き荒れた逆風と、そこから生まれた新しい表現に迫ります。敗戦後、「花鳥風月のような、旧来の価値観から抜け出せなかった日本画のようなものを珍重していたことが、戦争に敗れる原因となったのだ」という「日本画滅亡論」が声高に唱えられました。そんな状況下で、画家たちは独自の手法を模索し始めます。
画家たちは、洋画に対抗するために、新岩絵具を厚く塗り重ねる技法を取り入れます。これによって生まれる重厚な色調を駆使し、東山魁夷は欧州の風景を、徳岡神泉や髙山辰雄は心情を託した花鳥や人物を描きました。
伝統的な琳派の美に着目し加山又造も画壇に新しい風を起こし、時代の旗手となった一人です。
伝統的な琳派の美に着目し加山又造も画壇に新しい風を起こし、時代の旗手となった一人です。
杉山寧は、1928年(昭和3)に東京美術学校日本画科を首席で卒業し、日展で活躍しました。独特の色使いで、画面いっぱいにダイナミックに描かれたモダンな印象のスフィンクスは、杉山が海外旅行に出かけた際、心に残ったモチーフです。杉山の代表作である本作は、本展で福田美術館初公開となります。
嵐山の風景を愛した二人の画家
第3章「池田遙邨と冨田渓仙~嵐山にも昭和の風が吹く~」では、美術館のある嵐山ゆかりの2人の画家にスポットを当てます 。旅を愛した池田遙邨は、元旦の早朝から写生に訪れるほどこの地を好んでいました。
嵐山にアトリエを構えた冨田渓仙もまた、この地の風景を愛した一人です。風趣あふれるその画風は、横山大観からも高く評価されました。

冨田渓仙《嵐峡晴朗図》昭和時代 福田美術館蔵 後期展示
昭和の美術は、時代ごとにまったく異なる表情を見せてくれます。画家たちの軌跡をたどりながら、意欲と熱気に満ちた昭和という時代の風を感じとってみてはいかがでしょうか。
昭和の美術は、時代ごとにまったく異なる表情を見せてくれます。画家たちの軌跡をたどりながら、意欲と熱気に満ちた昭和という時代の風を感じとってみてはいかがでしょうか。
【開催概要】
展覧会名:昭和100年記念 「あの頃は~栖鳳・魁夷・又造らが起こした昭和の風~」
会期:2026年1月31日(土)~2026年4月12日(日)
<前期>1月31日(土)~3月2日(月)
<後期>3月4日(水)~4月12日(日)
会場:福田美術館
開館時間:10:00~17:00(最終入館16:30)
休館日:2月17日(火)、3月3日(火)、3月17日(火)
入館料:一般1,500(1,400)円、高校生900(800)円、小・中学生500(400)円
※()内は20名以上の団体料金、障がい者と介添人1名まで各900(800)円、幼児無料
公式ホームページ:https://fukuda-art-museum.jp