公益財団法人 大倉文化財団 大倉集古館にて、2026年2月3日(火)から3月22日(日)まで、特別展「出光美術館所蔵 茶道具名品展」が開催されます。
茶の湯の美術は、日本美術において重要な位置を占めており、そこで用いられる道具類は、絵画・書跡・陶磁・金工・漆工・木竹工など多岐にわたります。
本展では、出光美術館が所蔵する茶道具を構成する多種多様な約70件の名品を通して、日本美術を横断的に鑑賞することができます。
1 床飾りの茶道具
茶の湯における床飾りは室町時代の足利将軍家の書院飾りに始まるとされています。村田珠光によって侘茶が創始され、茶の湯が多様化してゆく過程で床には様々な道具が飾られるようになりました。亭主の趣向を表す「第一の道具」として床には掛物が掛けられますが、このほかにも花・花生、茶壺、香炉、文房具などが飾られます。
本章では掛物として、京都五山の建仁寺・南禅寺の住持を務め、墨蘭図を得意とした禅僧・玉畹梵芳による《蘭石図》(南北朝~室町時代、前期展示)、さらに江戸前期の大徳寺住持で、書画・詩文に通じた沢庵宗彭の《一行書「山雲溪月」》などが展示されます。
床を彩る器としては、南宋官窯の《青磁下蕪花生》や《鉄地銀象嵌雁香炉》が並びます。
野々村仁清による《色絵芥子文茶壺》は、白化粧を施したふくよかな茶壺の胴に、芥子の花がリズミカルに表現された巧みな逸品です。
2 点前の茶道具
点前では、釜・水指・茶入・茶碗・茶杓・香合など、さまざまな道具が用いられます。これらは床の掛物や花入とともに、季節や場、茶事の趣向に合わせて取り合わせが工夫され、道具組の妙を味わうことが茶席の大きな醍醐味となっています。とくに茶入・茶碗・茶杓・香合などは、客が手に取って拝見できるため、一層心惹かれる存在です。
本章では、大名物として名高い前田家伝来の《肩衝茶入 銘 師匠坊》や、黒田家伝来の《井戸茶碗 銘 奈良》といった茶入・茶碗の名品が集います。さらに、本願寺伝来の《祥瑞蜜柑水指》や《古芦屋松竹梅文釜》など、水指や釜の取り合わせも見どころです。
3 近代の茶道具
茶の湯で用いられる道具は、伝来のものばかりではありません。職人や作家の手によって、新しい茶道具が作られ、亭主の好みで取り合わされてゆきます。
千家十職のように代々、技や型が継承されて形を成したものもあれば、作家や趣味人たちによって生み出された作品もあります。
本章では、近代に焦点を絞り、出光コレクションを代表する陶芸家・板谷波山を中心に、近現代に作られた茶道具が並びます。

千家十職のように代々、技や型が継承されて形を成したものもあれば、作家や趣味人たちによって生み出された作品もあります。
本章では、近代に焦点を絞り、出光コレクションを代表する陶芸家・板谷波山を中心に、近現代に作られた茶道具が並びます。

板谷波山 《彩磁呉須絵花生》 1952年
4 懐石のうつわ
正式な茶事では懐石(食事)が伴い、料理を供するための器も見どころの一つです。向付や鉢、皿は料理とともに吟味され、客の目を楽しませてくれます 。これらのうつわには、季節や趣向、亭主の好みが反映されるのです 。本章では、唐津や織部、色絵や染付など、個性豊かな陶磁器が紹介されます。


《色絵魚介文鮑形鉢》 中国・明時代末期 景徳鎮窯
本展では、絵画から陶磁、金工まで出光美術館の珠玉のコレクションが一堂に会します。この機会に、茶の湯の名品が織りなす美の世界に触れてみてはいかがでしょうか。
※出展作品は全て出光美術館蔵
【開催概要】
展覧会名:特別展「出光美術館所蔵 茶道具名品展」
会期:2026年2月3日(火)~3月22日(日)
前期:2月3日(火)~2月23日(月・祝)
後期:2月25日(水)~3月22日(日)
会場:公益財団法人 大倉文化財団 大倉集古館(東京都港区虎ノ門2-10-3)
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:毎週月曜日(休日の場合は翌火曜日)
入館料:一般 1,500円、大学生・高校生 1,000円、中学生以下無料
公式ホームページ:https://www.shukokan.org/







