大名細川家の700年におよぶ歴史と文化を伝える永青文庫。その2026年度(令和8年度)の展覧会スケジュールが発表されました。
2026年春は、熊本地震から10年を迎えることから、さらなる復興を祈念して、細川家240年の居城・熊本城の歴史を振り返ります 。秋には日本有数の白隠コレクションから選りすぐりの作品が紹介されるなど、永青文庫ならではの展覧会が目白押しです。
今回は、来年度開催される4つの展覧会について、その見どころをご紹介します。

令和8年度春季展
熊本城―守り継がれた名城 400 年の軌跡―
会 期 = 4/11(土)~6/7(日)
休 館 日 = 毎週月曜日(ただし 5/4 は開館し、5/7 は休館)
開館時間 = 10:00~16:30(入館は 16:00 まで)
加藤清正によって築かれた熊本城は、加藤家のあとを受け熊本に入国した細川家が約240年にわたり居城とした名城です。本展では、2025年に重要文化財に追加指定されたばかりの「細川家文書」やゆかりの美術工芸品をとおして、細川家の視点から熊本城の歴史をたどります。
E579-7729
赤星閑意「熊本城之図」 明治時代(19世紀) 永青文庫蔵(熊本大学附属図書館寄託)

E579-7730
矢野三郎兵衛吉重筆 沢庵宗彭賛「細川忠利像」 寛永18年(1641)永青文庫蔵

E579-7731
「銀札啄木糸射向紅威丸胴具足」(細川忠利所用) 江戸時代(17世紀)永青文庫蔵(熊本県立美術館寄託)

E579-7732
重要文化財「細川忠利自筆書状」細川光尚宛(寛永9年〈1632〉)12月10日 永青文庫蔵(熊本大学附属図書館寄託)

令和8年度夏季展
大名家の狂言道具コレクション(仮)
会 期 = 7/11(土)~9/6(日)
休 館 日 = 毎週月曜日(ただし 7/20 は開館し、7/21 は休館)
開館時間 = 10:00~16:30(入館は 16:00 まで)
狂言は、室町時代より続く喜劇的な要素を持った芸能です。
細川家は初代幽斎の頃より能楽を愛好したため、永青文庫には能や狂言の道具が多く伝えられています。狂言に関してだけでも装束は約100件、面は30面あまりを数えます。
狂言装束や狂言面など、狂言ならではのデザインや楽しさに触れることができる展覧会です。
E579-7733
「恵比寿」永青文庫蔵

E579-7734
「狐」永青文庫蔵

E579-7735
「染分麻地蒲公英鼓三つ巴模様掛素襖」 江戸時代(18世紀後半~19世紀前半)永青文庫蔵

E579-7736
「白麻地源氏車夕顔模様肩衣」 江戸時代(18世紀後半~19世紀前半)永青文庫蔵

令和8年度秋季展 永青文庫・早稲田大学會津八一記念博物館共同企画
永青文庫の禅画 PartⅠ 白隠ワールド(仮)
会 期 = 10/3(土)~11/29(日)
休 館 日 = 毎週月曜日(ただし 10/12・11/23 は開館し、10/13・11/24 は休館)
開館時間 = 10:00~16:30(入館は 16:00 まで)
江戸時代中期の禅僧・白隠慧鶴(1685~1768)は「臨済宗中興の祖」と呼ばれ、膨大な数の絵画と墨蹟を手掛けて禅の教えを広く伝えたことで知られています。
永青文庫の設立者・細川護立(1883~1970)は、療養中に白隠の著作に感銘を受けたことがきっかけで、白隠の書画の蒐集を始めました。永青文庫は、護立が集めた300点を超える白隠の書画を所蔵しており、質量ともに日本有数の白隠コレクションを誇ります。
本展では、約2年におよぶ調査の結果を踏まえ、早稲田大学會津八一記念博物館との共同企画展として、永青文庫の白隠コレクションから厳選した作品が両館で紹介されます。
E579-7737
白隠慧鶴 「達磨図」明和4年(1767)永青文庫蔵

E579-7738
白隠慧鶴 「大燈国師図」江戸時代中期(18世紀)永青文庫蔵

E579-7739
白隠慧鶴 「蓮弁観音図」江戸時代中期(18世紀)永青文庫蔵

E579-7740
白隠慧鶴 「お福お灸図」江戸時代中期(18世紀)永青文庫蔵

令和8年度早春展
細川家四代展(仮)
会 期 = 2027 年 1/16(土)~4/11(日)
休 館 日 = 毎週月曜日(ただし 3/22 は開館し、3/23 は休館)
開館時間 = 10:00~16:30(入館は 16:00 まで)
細川家の歴代当主たちは、武将として軍事に携わり、藩主として熊本藩を治めたばかりでなく、和歌・能楽・茶の湯・博物学・絵画などの文化芸術を愛好したことで知られます。
そうした姿勢は、戦国時代を生きた初代藤孝や2代忠興以来、現在に至るまで脈々と受け継がれています。
本展では、"美術の殿様"として知られる16代護立から令和5年(2023)に永青文庫理事長に就任した護光にいたる近現代の細川家四代が、自ら制作した作品が一堂に集い、700年あまり続く細川家に受け継がれた芸術表現の営みをたどることができます。
E579-7741
細川護立

E579-7742
細川護貞

E579-7743
細川護熙(撮影:新津保建秀)

E579-7744
細川護光

【美術館概要】
永青文庫
住所:東京都文京区目白台1丁目1-1
美術館公式サイト:https://eiseibunko.com/