京都を舞台にした、新たなアートフェア「CURATION⇄FAIR Kyoto」が11月18日(火)まで開催されています。
main

名称にある「⇄」は、選び抜いた作品を紹介する“キュレーション”と、実際に購入できる“アートフェア”が一体となった、新しい形式のイベントであることを示しています。
会場は、歴史ある名刹・大本山妙顕寺と、東本願寺の飛地境内に広がる名勝・渉成園。

今年は〈工芸〉と〈近代洋画〉に焦点を当て、古美術、現代工芸、近代洋画、現代美術まで、各ジャンルから厳選された作品が展示販売されます。
会期中は、出展者によるプレゼンテーションに加え、キュレーターが同行するアート鑑賞ツアーも開催されます。
さらに、評論家・清水穣氏によるテキストなどを通じて、作品の背景に触れながら理解を深め、コレクションする魅力を堪能できます。
DSC04987
妙顕寺

庭園に囲まれた和室で出会う、選び抜かれた名品
妙顕寺では、歴史ある建物空間を生かした展示が展開されます。
IMG20251115141215

三方を特徴的な庭園に囲まれた和室(書院)では、竹林や色づき始めた紅葉も見どころのひとつ。ここでは企画展示に加え、4軒の出展者が趣向を凝らした展示を行っています。
1f13df39-b0e1
企画展示「超適応2:新しい時代の工芸と表現」展示風景

アートフェア初参加となる群馬のakamanmaは、角偉三郎や黒田泰蔵などの厳選された名品を紹介。
IMG20251115144246
「akamanma」ブース展示風景

ギャラリー北欧器は、ミッドセンチュリー陶芸作家3名(ヴィルヘルム・コーゲ、ベルント・フリーベリ、スティグ・リンドベリ)によるのグループ展を展開。彼らの洗練と温かみを併せ持つ作品が並びます。
IMG20251115144503
「ギャラリー北欧器」ブース展示風景

また、鎌倉の瀧屋美術は、岡本太郎らの近代洋画と古美術を組み合わせ、独自の世界観を提示しています。
IMG20251115151606
「瀧屋美術」ブース展示風景

茶室での古美術と現代のインスタレーションの競演
書院を進むと、樹齢400年の赤松と100年の黒松を望む茶室へと至ります。
この静かな空間では、ギャラリー志とKANEGAEが、古美術と現代作家の作品を組み合わせたインスタレーションを展開しています。縄文時代晩期の土偶残欠や桃山時代の絵唐津などの古美術と、鈴木祥太ら現代作家の作品が時を超えて呼応し、独自の美を生み出しています。
IMG20251115145445
鈴木祥太《新鉄砲百合》2025

IMG20251115145734
《縄文土偶残欠》縄文時代晩期

続く部屋ではWa.galleryが、ダマスカス鋼を素材とすることで知られる加藤貢介の作品を展示し、素材の持つ力強い魅力を伝えます。
IMG20251115145223
「Wa.gallery」展示風景

近代から現代へ。日本美術の巨匠たちが客殿に集う
勅使門を正面に臨む客殿は、本フェアのハイライトの一つです。ここでは多くのギャラリーが出展し、近代から現代に至る平面・立体作品が一堂に並びます。

日本で最も長い歴史をもつ洋画商・日動画廊のブースでは、梅原龍三郎の《薔薇図》をはじめ、小磯良平、藤島武二、藤田嗣治、安井曾太郎といった、近代日本美術を代表する作家たちの作品が出展されます。ギャラリー広田美術からは黒田清輝が、名古屋画廊からは、岸田劉生をはじめ、青木繁など、近代から現代美術の黎明を彩る名品が紹介されています。
IMG20251115141723
「日動画廊」ブースの展示より、(右)梅原龍三郎《薔薇図》

現代アートの多彩な表現を楽しむ
日本の現代美術を牽引してきた作家や新進気鋭の作家による作品も並びます。
TATSURO KISHIMOTOの大久保薫や菊池奈緒、水犀のRebecca ApplebyやKim Hyunsung、しぶや黒田陶苑の髙橋賢悟など、現代の作家たちの多様な表現に触れることができます。
IMG20251115142900
「TATSURO KISHIMOTO」ブース展示風景

IMG20251115142528
しぶや黒田陶苑」ブース展示風景

古美術から続く工芸の精神、近代洋画がもたらした革新の精神が、現代のアーティストたちによっていかに受け継がれ、新しい表現として花開いているか。そのつながりを発見するのも、このフェアの醍醐味です。

大玄関で交差する時空
来賓を迎える大玄関では、Artglorieux GALLERY OF TOKYO が出展し、裕人礫翔が歴史を宿す屋久杉を用いて制作した、琳派をテーマとする作品が展示されています。
IMG20251115143018
裕人礫翔《屋久島の空》

ATSUHIKO SUEMATSU GALLERYのブースでは、現代作家と猪熊弦一郎、アルベルト・デューラー、ゲルハルト・リヒターなどの作品が、、時空とジャンルを超えた一つの空間を作り上げています。
IMG20251115143135
「ATSUHIKO SUEMATSU GALLERY」展示風景

名勝・渉成園で体感する『工+藝』と今だけの特別プログラム
サテライト会場の名勝・渉成園では、東京美術倶楽部による特別展示「工+藝」京都2025が開催中です。これは創立120年を迎える同倶楽部が、工芸の新たな魅力と可能性を紹介するために企画したものです。
IMG20251115180133
会場風景

浅井康宏、隠崎隆一、月山貞伸、スナ・フジタ、新里明士、橋本雅也、十三代三輪休雪、ミヤケマイほか、現代工芸を牽引する46作家の作品が一堂に会します。
IMG20251115180458
会場風景

さらに渉成園では、通常非公開の持仏堂園林堂内「棟方志功」襖絵の特別内覧や、江戸時代のおもてなしを体験できる和舟遊覧、裏千家による呈茶席など、秋の京都を五感で満喫できるプログラムも用意されています。
17時30分からは秋の夜間特別拝観「渉成園 秋灯り」も開催され、幻想的な光に包まれた庭園を楽しむことができます。詳細は公式WEBサイトをご覧ください。
sub17
渉成園:園林堂内「棟方志功」襖絵

IMG20251115180949
渉成園夜間特別拝観の様子

時代やジャンルを超えて受け継がれた名品を、歴史的空間で楽しめる貴重な機会です。
この秋、作品との対話をはじめ、庭園の美、日本文化の体験、そして夜に浮かぶ幻想的な景色など 、京都ならではの特別な時間を過ごしてみませんか 。 
IMG20251115145204

【開催概要】
展覧会名: CURATION⇄FAIR Kyoto
会場: 大本山 妙顕寺、渉成園
会期: 2025年11月15日(土)~11月18日(火)会期中無休
開催時間:
・大本山 妙顕寺: 11:00~19:00(最終日は18:00まで)
・渉成園: 9:00~21:30(最終日は18:00まで)
※最終入場は各日終了30分前まで
チケット: 1日券3,000円など、各種チケットあり。