東京駅丸の内駅舎の中にある東京ステーションギャラリーでは、2026年もあまり紹介されてこなかった作家を取り上げた企画など、ユニークな展覧会が開催されます。
スイスの異才から中国の豪傑、日本の近代を彩った芸術家まで、見逃せない展覧会ラインナップをご紹介します。
E592-7901
螺旋階段からの眺め ©Wakabayashi Hayato

大西茂 写真と絵画
2026年1月31日(土)~3月29日(日)
数学・写真・絵画を越境する独自の芸術で、国際的に活躍した「戦後日本美術の鬼才」大西茂(おおにし・しげる/1928-1994)。ニューヨークMoMAをはじめ欧米で絶賛された彼の日本初となる本格的な回顧展です。瀧口修造、ミシェル・タピエなど同時代のパイオニアたちを瞠目させた彼の芸術は、いま再評価の途上にあります。国際的に活躍した“知られざる異才”の探求は必見です。
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大西茂《(題不詳)》1950年代 ©Estate of Shigeru Onishi, courtesy of MEM

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大西茂《(題不詳)》1962年頃 ©Estate of Shigeru Onishi, courtesy of MEM

カール・ヴァルザー[仮称]
2026年4月18日(土)~6月21日(日)
20世紀前半のスイスで活躍した異才、カール・ヴァルザーの全貌を紹介する展覧会です。
彼は20代でベルリン分離派に参加し、謎めいた神秘性をたたえた象徴主義的な絵画を残しました。
1908年の来日時に日本の風景や風俗を描いた水彩画は、当時の様子を伝える貴重な資料であると同時に、鮮やかで美しい色彩を今に伝えています。
本展では、こうした日本での仕事に加え、挿絵や舞台美術、壁画なども紹介し、その多才な活動の全貌に迫ります。全作品が日本初公開となります。
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カール・ヴァルザー《婦人の肖像》1902年 ゴットフリート・ケラー財団(新ビール美術館寄託)

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カール・ヴァルザー《森》1902-03年 新ビール美術館

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カール・ヴァルザー《歌舞伎女形(傾城阿古屋)》1908年 ベルン美術館 ©Kunstmuseum Bern

生誕130年 前田寛治 ポエジイとレアリスム
2026年7月4日(土)~8月30日(日)
33歳で夭折しながらも、日本近代洋画を代表する存在として知られる前田寛治。2026年は彼の生誕130年であり、パリ留学時の仲間とともに結成した「一九三〇年協会」の創立100周年にもあたります。
本展では、前田の画業を振り返るとともに、協会のメンバーによる作品も紹介し、その意義をあらためて検証します。
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前田寛治《棟梁の家族》1928年 鳥取県立美術館

E592-7908
前田寛治《繃帯をした男》1924年頃 鳥取県立美術館

E592-7909
前田寛治《花と子供等》1921年 鳥取県立美術館

水滸伝
2026年9月19日(土)~11月8日(日)
中国四大奇書の一つ『水滸伝』をテーマに、北宋から清時代の中国美術、そして江戸から現代までの日本美術を多角的に展観する展覧会です。『水滸伝』は江戸時代に日本で爆発的な人気を博し、葛飾北斎の挿絵による『新編水滸伝』や、曲亭馬琴の『南総里見八犬伝』など、多くの翻案作品を生み出しました 。現代においても小説、映画、漫画、ゲームなど様々なメディアで親しまれています。
これまで『水滸伝』に関する展覧会は、版本や歌川国芳の浮世絵に焦点を当てたものが主流でしたが、本展ではより広い視点からその奥深い魅力に迫ります。
E592-7910
歌川国芳《通俗水滸傳豪傑百八人之一個 九紋龍史進 跳澗虎陳達》文政10(1827)年頃 個人蔵

ニコライ・アストルップ[仮称]
2026年11月21日(土)~2027年1月31日(日)
20世紀初頭のノルウェーを代表する画家、ニコライ・アストルップの日本初の回顧展です。
「大地に根ざした画家」を自認したアストルップは、生涯のほとんどを故郷で過ごし、雄大な自然や手仕事の温もりを感じさせる日用品、自ら育てた庭の植物などを描き続けました。
本展では、自然の神秘を映す油彩画に加え、彼が卓越した才能を発揮した木版画も紹介。
ノルウェーから来日する約130点の作品を通して、自然の輝きに満ちたアストルップの世界を堪能できます。
E592-7911
ニコライ・アストルップ《ルバーブ》1911-21年 DNB貯蓄銀行財団/コーデ・ベルゲン美術館

E592-7912
ニコライ・アストルップ《春の夜と柳》1917-27年 DNB貯蓄銀行財団/コーデ・ベルゲン美術館

E592-7913
ニコライ・アストルップ《祭火》1915年 DNB貯蓄銀行財団/コーデ・ベルゲン美術館

E592-7914
ニコライ・アストルップ《ジギタリス》1920年頃 DNB貯蓄銀行財団/コーデ・ベルゲン美術館

生誕140年記念 山鹿清華[仮称]
会期:2027年2月20日(土)~4月11日(日)
明治、大正、昭和の時代にわたり染織の伝統継承に努める一方で、進取の気風にも富んだ稀有な存在が、山鹿清華(1885-1981)です。
彼は、図案から織りまでの工程をひとりで行う「手織錦」を自ら創案しました。
その主題は、天女のような伝統的な図柄から、ロケットや東京タワーといった時代を映すものまで、実に多様で奇抜です。
本展は、彼の代表作や織下絵、資料などを通じてその創作の歩みをたどる、40年ぶりの回顧展です。
E592-7915
山鹿清華《手織錦壁掛 星座・月・ロケット》1958年 京都市美術館

E592-7916
山鹿清華《手織錦屏風 立花》1935年 京都市美術館

E592-7917
山鹿清華《手織錦壁掛 闘士カンガルー》1960年 京都市美術館

【美術館概要】
東京ステーションギャラリー
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1(JR東京駅 丸の内北口 改札前)
時間:10:00~18:00(金曜日~20:00)※入館は閉館30分前まで
休館日 月曜日(祝日の場合は翌平日休館/ただし会期最終週、ゴールデンウィーク・お盆・シルバーウィーク期
間中の月曜日は開館)、年末年始、展示替期間