2025年5月15日(木)から6月29日(日)まで、そごう横浜店6階のそごう美術館にて、展覧会「GLAM ―黒柳徹子、時代を超えるスタイル―」が開催されています。この展覧会は、女優、司会者、作家、ユニセフ親善大使として、日本のテレビ放送が始まった1953年から現代に至るまで第一線で輝き続ける黒柳徹子さんの、唯一無二のスタイルをファッションを中心に多彩なコレクションを通じてひもときます。


展覧会タイトル「GLAM(グラム)」は、Galleries(美術館)、Libraries(図書館)、Archives(記録・資料)、Museums(博物館)の頭文字をとった言葉であり、さらに「魅力的」という意味も持ち合わせています。会場では、黒柳さん自身が質問に答える約6分の特別インタビュー映像も上映され、彼女の言葉に直接触れることもできます。

第1章「黒柳徹子の軌跡」
展覧会の最初の章、「黒柳徹子の軌跡」では、NHKに入局する前の女学生時代のプライベートショットから、近年の雑誌で撮影されたポートレート写真まで、数々の貴重な写真を通じて黒柳さんの歩みをたどります。一枚一枚の写真には、その時代の空気感とともに、ファッションへの憧れや夢を実現していく過程が映し出されています。少女の頃から変わらぬ好奇心に満ちた眼差しや仕草の中に、彼女の魅力の原点を見ることができます。

第2章「TETSUKO’S STYLE テレビ」
続く第2章では、テレビ番組での衣装が紹介されています。「徹子の部屋」をはじめ、「世界ふしぎ発見!」、「ザ・ベストテン」、「NHK紅白歌合戦」などで実際に着用されたきらびやかな衣装の数々は圧巻です。黒柳さんが愛したHANAE MORI、ISSEY MIYAKE、JUNKO KOSHINO、DOLCE & GABBANAといったデザイナーたちに共通するのは、“ファッションとはこうあるべき”という既成概念からかけ離れた奔放な発想力。時代もジャンルも軽やかに飛び越えるTETSUKO'S STYLEの自由さと遊び心が存分に楽しめます。

「徹子の部屋」ではゲストが心を開いてくれるようなファッションを心がけ、「ザ・ベストテン」ではランキングボードの黒に映える華やかな色のドレスを多く着用していました。番組の特色に合わせた、こうした細やかな配慮も見逃せないポイントです。

第3章「TETSUKO’S STYLE NEW YORK」
第3章では、ニューヨークでの一人暮らしの日々が紹介されます。昼は演劇学校に通い、夜は社交の場へ繰り出す刺激的な毎日の中で、彼女はカジュアルとフォーマルを巧みに使い分けていました。フォーマル用として活躍したのは、渡米前に母から渡された一枚の赤い振袖。パーティーのたびにこの振袖を着ていくと、どんなゴージャスなドレスよりも注目を集めたといいます。そして、このニューヨーク時代に、世界的ヘアドレッサーであった親友の須賀勇介さんに「着物にもドレスにも似合う髪型を」とリクエストし、トレードマークの“玉ねぎヘア”が誕生しました。会場では、その《赤い振袖》をはじめ、当時のルームウェアも再現展示されています。

第4章「WHITE BLOUSE INSTALLATION」
黒柳徹子さんのファッションを語る上で欠かせないアイテムが「白いブラウス」です。第4章では、「13時ショー」の生放送で自身が用意していた衣装の中から、より選りすぐりの白いブラウスが展示されます。一見シンプルに見えても、ひとつひとつにデザインやディテールへのこだわりが詰まっています。さまざまな“白”の表情を、ぜひ楽しんでみてください。

第5章「舞台女優」
「ライフワークは舞台!」と言い切るほど、黒柳徹子さんにとって舞台俳優という仕事はかけがえのないものです。第5章「舞台女優」では、彼女が出演した海外コメディシリーズの舞台で実際に着用した衣装が展示されています。


舞台衣装は主催者側が用意するのが一般的ですが、黒柳さんは自ら生地を買い付け、演目の内容や観客の反応を想像しながら、デザイナーと相談して衣装を制作してきました。
細部にまでこだわり抜いて作られた衣装は、演技とは異なる形でキャラクターを表現しています。
マリア・カラスを演じた《マスター・クラス》や、サラ・ベルナールを演じた《ライオンのあとで》の衣装も紹介されており、黒柳さんの舞台にかける熱い想いが、衣装を通じて伝わってきます。
第6章「森英恵コレクション」
日本を代表するファッションデザイナー、森英恵さん。1970年代のニューヨークで初めて出会って以来、ハナエ・モリのドレスは黒柳さんにとって特別な装いとなりました。第6章では、数々のテレビ番組の衣装としても着用された愛用コレクションの中から、特に思い出深い4点が展示されています。「ハナエ・モリのイブニングドレスを身に着けたときは、どんな席に出て行っても、『私は大丈夫』と思えた」という黒柳さんは語っています。

第7章「リメイクの女王」
黒柳さんは、ものを大切にし、新たな命を吹き込む「リメイクの女王」でもあります。第7章では、彼女ならではのリメイク術、アイデアや手法、日常使いのアレンジやデザインの工夫が、実際の衣装とともに紹介されています。
たとえば、PINK HOUSEのスカートを割烹着にリメイクしたり、PINK HOUSEの子供服ブランドのワンピースを大人のワンピースとロングジレに生まれ変わらせています。メキシコで購入したスカートは、5段あったうちの3段をケープに、下の2段を黒のチュールの裾に重ねてイブニングドレス風にも着こなせるセットアップへと変身させました。
たとえば、PINK HOUSEのスカートを割烹着にリメイクしたり、PINK HOUSEの子供服ブランドのワンピースを大人のワンピースとロングジレに生まれ変わらせています。メキシコで購入したスカートは、5段あったうちの3段をケープに、下の2段を黒のチュールの裾に重ねてイブニングドレス風にも着こなせるセットアップへと変身させました。

第8章「テーブルウェア & コレクション」
黒柳さんは、「趣味はなんですか?」と尋ねられると、決まって「食器集めです」と答えていたと言います。第8章では、自らオーダーした「ポンパドールピンク」の大倉陶園の食器を使ったテーブルセッティングをはじめ、京都の骨董店で出会った犬筥(いぬばこ)、そしてミクロの世界に心を誘うガラスの文鎮など、彼女が愛してやまない“美しいもの”が展示されています。黒柳さんの暮らしを彩る小さな芸術たちに触れながら、美と共にある時間の豊かさを感じてみてください。

第9章「徹子の気まぐれTV」
2021年7月にスタートしたYouTubeチャンネル「徹子の気まぐれTV」。第9章では、視聴者から大きな反響を呼んだ回の映像とともに、実際のアイテムが展示されています。世界中から集めた「パンダ」グッズは、小学生低学年の時にアメリカ帰りの叔父からパンダのぬいぐるみをプレゼントされて以来、気になる存在になったというエピソードも。キラキラの「アクセサリー」、ときめきをくれるデザインの「鞄」、そして「靴と帽子」など、ここでは“徹子の好き”がぎゅっと詰まったコレクションが並んでいます。

本展は、黒柳さんのファッションを通じた自己表現の歴史をたどるだけでなく、彼女の尽きることのない好奇心、人や物事に対する深い愛情、そして常に前向きに生きる姿勢を知ることができる、またとない機会です。
ぜひ会場で、時代を超えて輝き続ける黒柳さんの魅力に触れてみてください。

【開催概要】
展覧会名:GLAM ―黒柳徹子、時代を超えるスタイル―
会期:2025年5月15日(木)~6月29日(日)
会場:そごう美術館(そごう横浜店6階)
開館時間:10:00~20:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:会期中無休
入館料:平日 一般2,000円、大学・高校生1,200円、中学生以下無料/土日祝 一般2,400円、大学・高校生1,600円、中学生以下無料