奈良・東大寺の北側に位置し、約9000件もの宝物を1300年近く守り伝えてきた「正倉院」。
その貴重な宝物の世界を、これまでにない新しいアプローチで体験できる特別展「正倉院 THE SHOW ー感じる。いま、ここにある奇跡ー」が、大阪歴史博物館で開催されます(会期:2025年6月14日(土)~8月24日(日))。

本展チラシビジュアル
宮内庁正倉院事務所の全面監修のもと、2025年大阪・関西万博を機に開催される本展は、「愛」「美」「紡ぐ」の3つの視点から正倉院1300年の奇跡の物語をひもときます。最新技術を駆使した新しいアプローチにより、宝物の魅力を「感じ」「楽しむ」ことができる、ショーとしての華々しさに彩られた展示イベントです。

正倉院正倉 提供:宮内庁正倉院事務所
3Dデジタルデータで見る宝物の美の世界
本展覧会の大きな見どころの一つは、最新のテクノロジーを用いた展示です。正倉院事務所では、宝物の正確な情報を後世に残すため、360度から宝物をスキャンし、高精細な3Dデジタルデータを取得する取り組みを進めています。この展覧会では、そのデータに、光や音などの演出を加えた映像を大型スクリーンで上映します。肉眼では捉えきれないような宝物の細部や、質感がリアルに再現され、まるで宝物に包まれるかのような臨場感あふれる体験ができます。

3Dデジタルデータ 漆金薄絵盤(うるしきんぱくえのばん)撮影および計測:宮内庁正倉院事務所・TOPPAN株式会社

3Dデジタルデータ 漆金薄絵盤(うるしきんぱくえのばん)撮影および計測:宮内庁正倉院事務所・TOPPAN株式会社

3Dデジタルデータ 木画紫檀碁局(もくがしたんのききょく)撮影および計測:宮内庁正倉院事務所・TOPPAN株式会社

3Dデジタルデータ 十二稜鏡 黄金瑠璃鈿背(じゅうにりょうきょう おうごんるりでんはい)
撮影および計測:宮内庁正倉院事務所・TOPPAN株式会社
再現模造とデジタル演出が融合した新たな鑑賞体験
宮内庁正倉院事務所では、各種の分析装置や光学機器を駆使して、当時の技術や素材を研究し、宝物本来の姿を甦らせる「再現模造」の製作を1972年から続けています。
本展では、こうした再現模造が、最新のデジタル制御による映像・音楽・照明と組み合わせて展示され、これまでにない新たな鑑賞体験が楽しめます。

模造 螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)提供:宮内庁正倉院事務所

模造 紫地鳳形錦御軾(むらさきじおおとりがたにしきのおんしょく)提供:宮内庁正倉院事務所

模造 螺鈿箱(らでんのはこ)提供:宮内庁正倉院事務所

STAGE02 映像イメージ
気鋭のクリエイターによる宝物の新たな楽しみ方
この展覧会は、単に資料を展示するだけでなく、気鋭のクリエイター陣が空間デザインやグラフィックを手がけている点も特徴です。またコピーライターの梅田悟司氏が紡ぎ出す詩的な文章が、「物語」を彩ります。
現代アーティストが手がけた新作も登場
時代を経ても色あせない正倉院宝物の美しさは、現代のアーティストたちにも大きなインスピレーションを与えています。本展では、ファッション、音楽、写真、陶芸といった様々な分野で活躍する現代アーティストが、正倉院からインスピレーションを受けて制作した新作も展示されます。
デザイナー・アーティストの篠原ともえは、宝物の「今に通じる美」に着想を得て、伝統と現代を融合させた服飾作品を発表。音楽プロデューサー・ベーシストの亀田誠治は1300年前の楽器の音色を現代の音楽として響かせます 。
写真家の瀧本幹也は巨大な木造建築である正倉院正倉を独自の視点で捉え、陶芸家の亀江道子は宝物の文様美を昇華させ新たな陶芸作品を生み出します。
また、ガラス工芸家の迫田岳臣、金属造形家の田中均が協力して製作中の《瑠璃坏(るりのつき)》のレプリカも本展でお披露目される予定です。
1300年の奇跡に触れる旅へ
本展では、最新のデジタル技術や精巧な再現模造、さらには現代アーティストによる新作を通じて、実物の観覧とは異なるかたちで、正倉院とその宝物の魅力を楽しめます。
フォトスポットに限らず、会場内では写真撮影やSNS投稿が可能なのもうれしいポイント。この夏は、大阪歴史博物館で、正倉院との新たな出会いを体感してみませんか。
フォトスポットに限らず、会場内では写真撮影やSNS投稿が可能なのもうれしいポイント。この夏は、大阪歴史博物館で、正倉院との新たな出会いを体感してみませんか。
【開催概要】
展覧会名:特別展「正倉院 THE SHOW ―感じる。いま、ここにある奇跡―」
会場:大阪歴史博物館(大阪市中央区大手前4-1-32)
会期:2025年6月14日(土)~8月24日(日)
開館時間:9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:毎週火曜日(ただし8月12日は開館)
観覧料:大人2,000円(前売・団体1,800円)、高校生・大学生1,500円(前売・団体1,300円)、小学生・中学生1,000円(前売・団体800円)
公式ホームページ:https://shosointheshow.jp