東京・日本橋の三井記念美術館では、展覧会「三井家のおひなさま」が、2023年2月11日(土・祝)から4月2日(日)まで開催されます。日本橋に春の訪れを告げる本展は、3年振りの開催となります。
チラシ

三井家ゆかりのひな人形を展示
本展では、三井家の夫人や娘が大切にしてきた雛人形やひな道具など、三井家ゆかりのひな人形を一堂に展示。北三井家十代・高棟夫人の苞子(もとこ)、第十一代・高公夫人の鋹子(としこ)、高公の一人娘・浅野久子、そして伊皿子三井家九代・高長夫人の興子(おきこ)の旧蔵の贅を尽くした品々を紹介します。

北三井家十代・三井高棟夫人の苞子の旧蔵品であるおひなさまは、実家の旧富山藩主前田家から伝わったもの、結婚後三井家で新たに作られたもの、江戸時代から三井家に伝来したものなどがあり、さまざまな年代や種類のひな人形、ひな道具を含んでいます。
2  内裏雛 三世大木平蔵製 1895
《内裏雛》 三世大木平藏製 明治28年(1895) 三井記念美術館蔵

4  銀製ひな道具
《銀製ひな道具》 江戸〜明治時代・19世紀  三井記念美術館蔵

5   立雛 1815
《立雛》 江戸時代・文化12年(1815) 三井記念美術館蔵

北三井家十一代・三井高公夫人の鋹子ゆかりのひな人形は、日本橋十軒店の名工・二代永德齋製のものが中心となっており、初節句、または嫁入りの際にあつらえられました。
7   次郎左衛門雛
《次郎左衛門雛》 二代永德齋製 明治〜大正時代・20世紀  三井記念美術館蔵

北三井家十一代・三井高公の一人娘浅野久子の1934年(昭和9年)の初節句に際し、昭和の名工・五世大木平藏に注文してあつらえられたひな人形とひな道具は、近年まで浅野家で行われていた段飾りを再現して展示されます。幅3mに及ぶひな段飾りは必見です。
11  内裏雛(女雛) 五世大木平蔵製 1934
《内裏雛(女雛)》 五世大木平藏製 昭和9年(1934) 三井記念美術館蔵

12  内裏雛 五世大木平蔵製 昭和9年(1934)
《内裏雛》 五世大木平藏製 昭和9年(1934) 三井記念美術館蔵

伊皿子三井家九代・高長夫人三井興子ゆかりの「内裏雛」は四世大木平藏製の品です。
17   内裏雛 四世大木平蔵製 明治33年(1900)
《内裏雛》 四世大木平藏製 明治33年(1900) 三井記念美術館蔵

近年寄贈を受けた作品の特集展示も
また、展示室6と7では、近年の新規寄贈品の絵画や工芸、人形などを特集展示します。
展示室6では、浮世絵師・月岡芳年に師事した水野年方の版画「三井好 都のにしき」を展示。この作品は浮世絵師月岡芳年に師事した水野年方の版画で、三越呉服店の前身である三井呉服店の明治37年頃の新作ファッションカタログとしての性格を兼ねたもの。本展では、当時最高の技術で刷られた木版画全13枚をまとめて見ることができます。
21 『都のにしき』より「春の野」
《『三井好 都のにしき』のうち「春の野」》 水野年方画 明治時代・20世紀  三井記念美術館蔵

展示室7では、三井家に関わる寄贈品として、北三井家から寄贈された御所人形や五月人形などが展示されるほか、奥村土牛や堂本印象の絵画などが展示されます。
さらに三井グループ企業や個人からの寄贈である、後水尾天皇の和歌懐紙、渡辺始興の花鳥図、河鍋暁斎の花見の図などの絵画、村松親月が正倉院宝物の象牙撥鏤を復元した作品なども展示され、多彩な寄贈品を見ることができます。
24 新見-001_花見の図 河鍋暁斎筆【63-01】
《花見の図》 河鍋暁斎筆 明治時代・19世紀  三井記念美術館蔵

【展覧会概要】
展覧会「三井家のおひなさま」
特集展示「近年の寄贈品 ─絵画・工芸・人形など─」
会期:2023年2月11日(土・祝)~4月2日(日)
会場:三井記念美術館
住所:東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井本館 7F
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日、2月26日(日)
入館料:一般 1,000円(800円)、高校・大学生 500円(400円)、中学生以下 無料
※70歳以上は800円(要証明)
※リピーター割引:会期中、一般券ないし学生券の半券の提示により、2回目以降は( )内割引料金にて観覧可
※障害者手帳の提示者および介護者1名は無料(ミライロID可)
※開催内容は変更となる場合あり(最新情報については、美術館ホームページまたはハローダイヤル(050-5541-8600)にて確認のこと)
三井記念美術館ホームページ https://www.mitsui-museum.jp/