「アール・ブリュット ゼン&ナウ」は、国内外のアール・ブリュットの動向において、長く活躍を続ける作家と、近年発表の場を広げつつある作家を、さまざまな角度から紹介する展覧会シリーズです。
2回目にあたる「Echo こだま返る風景」では、建物や家が立ちならぶ街の風景を、独自のまなざしで再構築する作家たちを紹介します。
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「Echo こだま返る風景」会場風景 撮影:佐藤 基
[注] アール・ブリュット(Art Brut)は、元々、フランスの芸術家ジャン・デュビュッフェによって提唱されたことばです。ここでは、広く、専門的な美術の教育を受けていない人などによる、独自の発想や表現方法が注目されるアートと紹介しています。

​【展覧会の見どころ​】
1.様々な視点によって表現された街の風景を展覧
上空から俯瞰するような構図や天地のない描き方、奇抜な色彩の建物群。本展で紹介する作家たちは、かれら自身が実際に見た景色やその記憶の断片から、または雑誌やテレビ、インターネットから選びとった画像を組み合わせ、それぞれにユニークな表象をつくり出します。
街の風景という馴染み深いモチーフを6名の作家の異なる表現方法によって、比較しながら鑑賞できます。
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辻勇二《心でのぞいた僕の街》2019年 作家蔵  提供:障害福祉サービス事業所 明日香

2.ドローイングブックを一枚一枚記録した映像の上映
無数の電柱とそれらを一つにつなぐ電線が描きこまれたドローイングブック(磯野貴之)や、建物が密度のある描きこみによって繰り返し描かれたドローイングブック(古久保憲満)が展示されます。これらの作品は展示中、開いてみることができませんが、全ページを記録した映像の上映を行い、映像を通して連続する作品にどのような景色が広がっているのかを見ることができます。
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「Echo こだま返る風景」会場風景 撮影:佐藤 基

3.渋谷の街並みを感じながらの作品鑑賞
本展は外光の入る展示構成となっています。
外に見える街並みや喧騒、匂いや空気感など、展示室と外の世界のつながりを感じながら鑑賞することができます。

4.資料スペースでアール・ブリュットに関する知識を深める
会期中、ギャラリー内の交流スペースがアール・ブリュットに関連する資料スペースとして開放されます。資料スペースでは、出展作家達の制作や展示をサポートする施設の紹介パネルを通して制作の背景を知ることができるほか、「アール・ブリュット」に関連する書籍を閲覧できます。
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「Echo こだま返る風景」関連イベント 「資料スペース」会場風景 撮影:佐藤 基

出展作家による紙芝居公演などのイベントや学芸員によるギャラリートークを予定も予定されています。詳細はギャラリーWebサイト(https://inclusion-art.jp)をご覧ください。
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後藤拓也《いえ》2013-2021年 風舎とみたか蔵  撮影・提供:風舎とみたか

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佐藤慶吾《ホテル》1998-2005年頃  NPO法人グループ彩 生活工房蔵 撮影・提供:NPO法人グループ彩 生活工房

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横溝さやか《SHIBUYA2020》2017年  嬉々‼CREATIVE蔵 提供:嬉々‼CREATIVE

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古久保憲満《無題》2001-2007年頃 作家蔵  撮影:大西暢夫 提供:ボーダレス・アートミュージアムNO-MA

【展覧会概要】
展覧会名:アール・ブリュット ゼン&ナウ Vol.2「Echo  こだま返る風景」
会期:2023年1月21日(土)~4月9日(日)
開館時間:11:00~19:00
休館日:月曜日
会場:東京都渋谷公園通りギャラリー 展示室1、2
入場料:無料
出展作家:磯野貴之、古久保憲満、後藤拓也、佐藤慶吾、辻勇二、横溝さやか
主催:(公財)東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 東京都渋谷公園通りギャラリー
展覧会ウェブサイト:https://inclusion-art.jp/s/kodamakaerufuukei
*開催内容は、都合により変更になる場合あり