2023年は、富士山の世界文化遺産登録10周年の年にあたります。
これを記念して、2月4日と5日に東京都内で、富士山の「芸術の源泉」の側面にクローズアップした、2日間限りの企画展と講演会が開催されます。

企画展では、静岡県富士山世界遺産センター(静岡県富士宮市)収集・寄託の江戸時代の富士山絵画10数点を東京で初公開します。
中でも、狩野董川中信筆「富士飛鶴図」は、万延元年(1860)遣米使節がもたらした、徳川将軍から米国大統領への外交贈答品と考えられ、昨年、テレビ番組でも紹介され話題となりました。
富士飛鶴図《企画展 主要出品》
・作者未詳 富士三保清見寺図屏風
・狩野常信筆 近衛家煕賛 秋景富士三保清見寺図
・狩野伊川院栄信筆 富士三保松原図
・狩野晴川院養信筆 富士山図(阿波蜂須賀家伝来)
・狩野董川中信筆 富士飛鶴図
・土佐光孚筆 富士旭日図
・谷文晁筆 富士山中真景全図
・谷文晁筆 松平定信・本居大平賛 富士山図
・池田孤邨筆 富士三保松原図
講演会では、美術史・文化史研究の泰斗で静嘉堂文庫美術館館長の河野元昭氏、ふじのくに茶の都ミュージアム(島田市)館長の熊倉功夫氏のほか、静岡県立美術館学芸員や当センターの研究員が富士山の芸術文化について講演を行います(要予約)。
《講演題目》
2月4日
・「江戸絵画で巡る静岡の絶景」(静岡県立美術館 浦澤倫太郎主任学芸員)
・「万延元年(1860)の外交的贈答品(ディプロマティック・ギフト)―新発見、徳川将軍から米国大統領へ贈られた富士山図―」(静岡県富士山世界遺産センター 松島仁教授)
・「江戸絵画史の富士山図 饒舌館長ベスト10」(河野元昭 静嘉堂文庫美術館館長)
2月5日
・「古典詩歌が表現した富士山―絵画との協奏も視野に入れて―」(静岡県富士山世界遺産センター 田代一葉准教授)
・「ふじのくにと茶の湯」(熊倉功夫 ふじのくに茶の都ミュージアム館長)
会場では、山岳写真家白籏史朗氏の作品のほか、富士山写真コンテスト及びふるさと富士写真コンテストの歴代グランプリ作品も展示される予定です。
【概要】
日 時 令和5年2月4日(土)~2月5日(日) 午前9時30分~午後5時 (講演会は各日 午後1時~午後4時)
場 所 東京美術倶楽部 3階展示室 (東京都港区新橋6-19-15)
入場料 無料 企画展は予約不要で観覧可
講演会の定員 各日先着150名 静岡県富士山世界遺産センターホームページから要予約(空席がある場合は、当日も受付)
世界遺産富士山登録10周年記念特別企画「富士山芸術の源泉」予約ページURL