原石からジュエリーまで宝石のすべてがわかる展覧会、特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」が国立科学博物館で開催中です。
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宝石の歴史は古く、古代から魔よけやお守り、地位や立場を示すシンボルとして世界中で用いられてきました。現在では、宝飾品としても広く親しまれています。

本展は、地球が生み出す「貴石」「奇跡」そして「軌跡」の3つの「キセキ」をキーワードに、科学的、文化的な切り口で宝石の世界を紹介。

「第1章 原石の誕生」、「第2章 原石から宝石へ」、「第3章 宝石の特性と多様性」、「第4章 ジュエリーの技巧」、そして「第5章 宝石の極み」という5章の構成で、原石から豪華絢爛なジュエリーまで、宝石の全てを紹介する展覧会です。

【みどころ】
1 宝石約200種類を一挙紹介
会場では、宝石のラフ(原石)やルース(磨いた石)を約200種類展示。
地球が生み出した自然の美しい姿と、磨いた後のきらびやかな姿を見比べることができます。
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2 科学から見る宝石
宝石の生い立ちを大型の原石を用いて紹介するとともに、輝きの秘密にも迫ります。
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巨大宝石の展示

3 宝石とジュエリー
宝石の文化的側面にもフォーカス。宝石のカット技術の歴史や、現在国内外で人気を集めるジュエリーブランドの作品も紹介。
アルビオン アート・コレクションでは、ミュシャがデザインしたジュエリー、20世紀の最先端のジュエリーなど、宝石を使った珠玉の芸術品が集結。精巧に仕立てられたティアラやカメオ、リングなどが展示され、人々が生み出してきた美の歴史が堪能できます。
アルフォンス・ミュシャ作画/デザイン 
アール・ヌーヴォー フーケ&ミュシャ作 コルサージュ・オーナメント
個人蔵、協力:アルビオン アート・ジュエリー・インスティテュート

4 連載中の『七つ屋 志のぶの宝石匣』とコラボ!キャラクターたちが展覧会に登場!
『のだめカンタービレ』で知られる二ノ宮先知子さんの『七つ屋 志のぶの宝石匣』は、宝石のオーラが見える質屋の娘・志のぶとイケメン宝石外商・顕定(あきさだ)が主人公。会場にはふたりが登場し、本展を案内してくれます。本展のために特別に描き下ろしたイラストも展示。
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ファイア・オパールの解説。とてもわかりやすい!

また、動物と宝石や鉱物を組み合わせて描き、SNSを中心に注目を集めている画家、長靴をはいた描(ねこ)さんが、本展のために描き下ろした作品も第2会場で展示されています。
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左から:長靴をはいた描(ねこ)さんの紹介パネル、「フタバスズキリュウ 化石 オパール化」、「ハチ公×モルガナイト」いずれも長靴をはいた描(ねこ)描き下ろしイラスト

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特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」 展覧会公式サイト
会期:2022年2月19日(土)〜6月19日(日)
会場:国立科学博物館 地球館地下1階 特別展示室
住所:東京都台東区上野公園7-20
開館時間:9:00~17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日休館)
※3月28日(月)、5月2日(月)、6月13日(月)は開館
※会期・開館時間・休館日・展示内容などは変更になる場合あり
〈チケット詳細〉
入場にはオンラインでの日時指定予約が必要。
入場料:一般・大学生 2,000円、小・中・高校生 600円
※未就学児、障害者手帳持参者とその介護者1名は無料(無料対象者も日時指定予約は必要)
※学生、各種手帳持参者は入場時に証明できるものの提示が必要な場合あり
※購入方法は展覧会公式サイトを参照
※博物館で当日券も販売(入場待ち、予定枚数終了となる場合あり)
※本展を観覧者は、同日に限り常設展(地球館・日本館)も観覧可能(日時指定日の指定時刻よりも前に常設展を観覧することは不可)
※購入したチケットのキャンセル・券種変更・払い戻し・再発行は不可
※再入場不可
詳細は展覧会公式サイト参照。
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第1章では、原石はどのようにして誕生するのか、地球内部でつくられる宝石の元となる原石を科学的視点から紹介。
本展のハイライトのひとつ、巨大なアメシストドームの展示。高さは約2.5メートルもあります。
アメシストとは、「紫水晶」とも言われ、熱水に溶け込んでいたシリカ(SiO2)が地下の空隙に沈殿してできた結晶。この結晶の周りを作る岩石は鉄分を多く含み、その鉄分が本来は無色である水晶の結晶構造に入り込むことで、アメシストを紫色に発色させています。
色鮮やかに輝くアメシストの美しさを間近に堪能できるのに加え、写真撮影も可能。
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原石から宝石としての特性を最大限に引き出すための成形と研磨の工程をまとめて「カット」と呼びます。「カット」の出来栄えは原石の大きさ、品質に劣らないほどの宝石の評価を左右します。
第2章では、原石の採掘からカットの加工技術までを分かりやすく紹介。原石がどのような過程を経て美しく輝く宝石になるのかを知ることができます。
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宝石の代表的なカットの7種のスタイル。
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紀元前 2000 年以降、人類とともに発展してきた宝石のカットの歴史を、国立西洋美術館から特別出品される「橋本コレクション」の貴重な約200 点の指輪でたどる展示は必見です。
幅広い年代にわたる各宝石のカットを通じて、「指輪が語る宝石の歴史」を堪能できます。
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第3章は「宝石の特性と多様性」。「輝き」「煌めき」「彩り」「強さ」といった宝石の価値の基準を説明しながら、ラフ(原石)、ルース(磨いた石)をメインに 200 種を超える宝石が展示されています。
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ダイヤモンドやサファイア、ルビーなどのよく知られた宝石から、フォスフォフィライトやブラックダイヤモンドなどのレアストーンも多数展示。色彩豊かで様々な表情を見せる宝石が一堂に集まり、宝石の要件の一つである「美しいこと」の要素について科学的に学べる展示になっています。
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「宝石として望ましい硬さとは」について、実物の宝石を見ながら学べます。
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トパーズなど日本産の宝石も紹介。
日本産の宝石

化石由来の宝石。一番左は虹色に輝くアンモナイト「アンモライト」。
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オパールなど見る角度によって色が変わる宝石も展示されています。
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ダイヤモンドやルビーには紫外線を当てると光るものがあります。本展では、紫外線で発光する宝石の特設コーナーを用意。ダイヤモンドやルビー、フローライト、カルサイト(方解石)などが、暗い空間の中で美しく光る様子を見ることができます。
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さまざまなダイヤモンドの展示。イラストの解説によると、ピンク・ダイヤモンドの90%を算出しているオーストラリアの鉱山が採掘を終了するという噂があり、ピンク・ダイヤモンドの価値はこれからますます上がっていくということです。
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「ジュエリーの技巧」の第4章では、宝石を更に美しくする職人たちの技術の粋を紹介。
輝く宝石のルース(磨いた石)を更に美しくするために行われる宝石のセットを「仕立て」と呼びます。この章では、この「仕立て」の技術に着目し、ヴァン クリーフ&アーペルやギメルといったハイジュエラーの作品から「仕立て」の技術の粋を紹介。
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1906 年、パリ ヴァンドーム広場に創業したハイジュエリーメゾン、ヴァン クリーフ&アーペルのジュエリー。

ギメルトレーディング所蔵のジュエリーで日本の四季をイメージしたコーナー。紅葉や葉っぱもジュエリーなんですよ。
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こんなデザインのジュエリーも。どこにあるか会場で探してみてください。
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左から:向日葵ブローチ ギメルトレーディング所蔵、”一輪車にのって” ピンズ ギメルトレーディング所蔵

第5章「宝石の極み」では、世界的な宝飾コレクションであるアルビオンアート所蔵のジュエリーコレクションより、古代のメソポタミアやエジプトで作られた作品から20世紀の最先端のジュエリーまで、貴重な芸術品約60点を見ることができます。
古代から現代まで、幅広い年代のジュエリーを通して、人類が生み出してきた美の歴史が堪能できます。
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ルネサンス期の宝飾様式を伝える、極めて希少な作品も展示。
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左:ルネサンス パールとルビーを施したエナメル・ゴールド・ネックレス 
個人蔵、協力:アルビオン アート・ジュエリー・インスティテュート
右:ルネサンス 空翔るキューピッドのペンダント
個人蔵、協力:アルビオン アート・ジュエリー・インスティテュート

マリー・アントワネットの長女、アングレーム公爵夫人旧蔵のジュエリーも。
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上 左から:マールバラ公爵夫人旧蔵 ルビーとダイヤモンドのクロス、
ジョージアン ルビーとダイヤモンドのメダイヨン
下:マリー・アントワネットの長女アングレーム公爵夫人旧蔵 ルビーとダイヤモンドのブレスレット
いずれも個人蔵、協力:アルビオン アート・ジュエリー・インスティテュート

ロシア大帝エカテリーナ2世がロシア駐在英国大使に贈ったエメラルドに、大使令嬢の婚家である侯爵家がダイヤモンドを加えたネックレスとイヤリングのセット。
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ロシア大帝エカテリーナ2世より第2代バッキンガムシャー伯爵へ贈られたエメラルド 
個人蔵、協力:アルビオン アート・ジュエリー・インスティテュート

ナポレオン戦争で軍功を重ね、イギリス首相も務めたウェリントン公爵アーサー・ウェルズリーのシャトレーヌ・ウォッチ 
個人蔵、協力:アルビオン アート・ジュエリー・インスティテュート
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ナポレオン帝政下の名将モルティエ元帥が、娘の結婚に際して作らせたというピンク・トパーズとアクアマリンを主としたネックレス、イヤリング、ブレスレット、ブローチ、髪飾りからなるパリュール(セット)。
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ナポレオンの名将モルティエ元帥よりリュミニー侯爵夫人へ送られたピンク・トパーズとアクアマリンのパリュール
個人蔵、協力:アルビオンアート・ジュエリー・インスティテュート

壮麗なムガール朝インド様式の胸当てを思わせるネックレス。ルビーとダイヤモンドを連ねた4連のネックレスに、房飾り状に大粒のサファイアを配しています。
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50'sブルガリ サファイアとルビーのムガール・スタイルのネックレス 
アルビオン アート・コレクション

かっての所有者を知ると、よりゴージャスに見えてきます。歴史を旅してきた至高の宝飾品が、今も美しいままの状態で見ることができるなんてすごいですね!

鑑賞後のお楽しみ♪ミュージアムショップでは多彩なグッズがたくさん用意されています。

同展とコラボする二ノ宮知子さんの『七つ屋 志のぶの宝石匣』。会場内の特設ショップでは、物語の主人公の志のぶと顕定が、宝石を分かりやすく解説してくれる展覧会限定ミニブック(660円、税込)も販売中。本展のために特別に描き下ろしたイラストを収録するほか、『七つ屋 志のぶの宝石匣』のシーンをもとに、本展監修者による宝石の解説文も掲載。これがあれば展覧会をより深く楽しめます。数量限定のため、お買い求めはお早めに。
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左はアルビオン アート・コレクションを缶にあしらった、シックなデザインのサクマドロップス。宝石のようなかたちが楽しめます。
右は石チョコ。外側のカリッとした食感と、まろやかな甘さが楽しいチョコレートです。
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ダイヤモンドの輝きを最大限に引き出す「ブリリアントカット」の理想的な輝きをモティーフに誕生したあめやえいたろうのあめ。ダイヤモンドの中でも特に希少なブルー、レッド、グリーン、ピンクの美しいダイヤをかたどったあめが用意されています。個数限定なので、購入はお早めに!
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小箱入り鉱物も!
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宝石をモティーフにしたアクセサリー、キャンディなど、子ども向けのグッズも揃っています。
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本展に展示されている宝石の原石や、ジュエリーの美しい写真と解説、監修者ほかによるエッセーなどが楽しめる公式図録は3月中旬以降に発売予定。料金等は決定次第、展覧会公式サイト等に掲載予定です。

紀元前のメソポタミアや古代エジプトで作られた作品から最先端のジュエリーまで、人類が生み出してきた美の歴史が堪能できる展覧会。
ジュエリーに目がない方はもちろん、美術ファンも、歴史マニアも、地学や鉱物が大好きな人もそれぞれ楽しめる特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」は、6月19日(日)まで、国立科学博物館にて開催。宝石について深く学び、その魅力に迫ることのできる、この貴重な機会をお見逃しなく!