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2021年09月23日

「能 Noh~秋色モード~」大倉集古館

東京・大倉集古館で「能 Noh~秋色モード~」が開催中です。
チラシPDF【大倉集古館】【8月24日能Noh秋色モード展】-1
室町時代初期、猿楽を原型として大成された能は、今なお演じられている貴重な日本の伝統芸能です。観阿弥・世阿弥は従来の芸能の良さを取り入れた上で、ストーリーのある演劇として能を作り上げましたが、現在、舞台で演じられている能の曲は、この当時のものとほとんど変わっていません。
能が600年以上もの間ほぼ姿を変えず現在まで受け継がれてきたのは、各時代の大名が能を愛好していたからです。
最初に能に魅せられたのは、金閣寺健立などで有名な足利義満ですが、その後も各大名が能を愛好し、江戸時代になるとますます能の権威が高くなり、幕府の「式楽」として扱われるようになりました。近世以降は幕府や大名の保護を受け、「武家の式学」として重んじられ発展してきました。
チラシPDF【大倉集古館】【8月24日能Noh秋色モード展】-2
大倉集古館の所蔵品は多岐にわたりますが、能楽コレクションのうち、「能面」と「能装束」は偶然にも2つの異なる池田家(大名家)に伝わったもので、能面は因州(鳥取藩)池田家旧蔵、能装束は備前(岡山藩)池田家旧蔵のコレクションです。
本展ではこれらの能楽コレクションのうち、秋の気配の意をあらわすー 秋色(しゅうしょく)ーに注目した作品群が展示されています。


みどころ① 因州と備前「池田家」旧蔵の能面・能装束
下はさまざまな色、デザインの乱菊、八重菊が交互に配されたもの。備前岡山藩池田家第 7 代当主・池田治政所用と伝わります。
多様な色彩感覚と今でも通用するような斬新な模様の組合せ、絵画を思わせるような流麗な織技に目を奪われます。
6_能装束〈白地石畳菊唐草模様唐織〉
 能装束〈白地石畳菊唐草模様唐織〉

みどころ② 秋のデザイン~能装束にみる秋色モード~ 
色と模様の多彩な組み合わせにより「デザインの宝庫」とも称される能装束。本展では能装束のデザインにみる四季の情感に注目し、「蔦・紅葉・蜻蛉草・菊・葡萄」などの秋にちなんだ作品が展示されています。
5_能装束《白地破菱紅葉模様縫箔》
能装束〈白地破菱紅葉模様縫箔〉縫箔とは刺繍と金銀の箔で模様を表わした能装束のこと。破れ菱とさまざまな色の紅葉が無規則に配され、とても粋なデザインの装束です。

みどころ③ 秋の謡曲と能楽コレクション 
能のストーリーをあらわす「謡曲」には、秋を舞台にしたものが多数あります。秋の謡曲を具現化したようなデザインの能装束や、用いられた能面なども展示されています。能の演目を思わせるような風景や景物が装束に表され、一幅の絵として見ても楽しめます。
7_能装束〈白地銀竪縞萩蜘蛛巣模様縫箔〉
 能装束〈白地銀竪縞萩蜘蛛巣模様縫箔〉多彩な色の萩が咲き乱れ、叙情性あふれる秋らしいデザインに仕上がっています。

9_能装束〈鬱金地垣夕顔模様縫箔〉
 能装束〈鬱金地垣夕顔模様縫箔〉柴垣に夕顔がつるを絡める様子を大胆にデザイン化した装束。このような柄の小物があれば、ぜひ使ってみたいですね。

2_能面〈小面〉
代表的な能面「小面(こおもて)」は、若い女性の役柄を演じるときに広く用いられます。

1_能面〈万媚〉
「万媚(まんび)」は若い女性の面に濃艶さを盛り込んだ女面。「紅葉狩」の鬼女の化けた女用などに用いられます。若い女性を表す面でも「小面」は純粋無垢な美しさ、「万媚」は若干色気、つややかさを感じさせます。

みどころ④ 繁岡鑒一(1895~1988)筆の能画 
かって大倉集古館・主任学芸員を務めた繁岡鑒一が、同館で所蔵する能装束を題材に用い、役柄の扮装を表した能画8面が今回展示されています。他の展示と併せて見ることで、実際の舞台の様子がイメージしやすくなります。
  
みどころ⑤ 絵画・工芸にみる~秋色モード~  
能や秋をモティーフにした絵画・工芸品も展示されています。
13_秋草図屏風(左隻)
住吉如慶〈秋草図屏風〉6 曲 1 双/江戸時代・17 世紀  江戸幕府の御用絵師を務めた住吉派の祖である如慶の作品。菊やすすきなど、秋の草花が装飾的で華やかに表現されています。

英一蝶「雑画帖」(全36図)は、芸能、和漢の故事、名所、動物など、さまざまな画題を描いたもので、もと画帖形式であったものを個別の金の台紙貼に改装したものです。多賀朝湖の落款から三宅島へ配流され、江戸に戻る58歳以前の作であることがわかります。
12_雑画帖「柿栗図」
12_〈雑画帖〉「葡萄図」
宝永6年(1709)、将軍代替の大赦によって江戸へ帰ることができ、そのおりに英一蝶(はなぶさいっちょう)と画名を改めています。

狩野元信周辺の画家と伝わる狩野元久や、岡倉天心、横山大観らとともに近代の日本美術を拓いた菱田春草の、秋や能をモティーフにした作品も展示されています。

11_〈菊桐蒔絵手箱〉
工芸〈菊桐蒔絵手箱〉

池田氏は全国に様々なルーツがありますが、家紋は「揚羽蝶」が基本です。そのため同館のコレクションのうち蝶をモチーフにした作品も今回紹介されています。

完成された造形美を誇る能面をはじめ、綺羅を尽くした能装束、意匠を凝らした能道具類、秋の風情を感じさせる絵画など、幅広い視野から能の魅力を掘り下げる展覧会です。鑑賞の手引きとなる、能の主な演目や能装束の用語解説資料も会場でもらえます。
ぜひ、秋色モードの会場で、深く豊かな能の魅力を、改めて感じてみてください。

能 Noh~秋色モード~
会期 2021年8月24日~10月24日
会場 大倉集古館
住所 東京都港区虎ノ門2-10-3
開館時間 10:00~17:00(入館は16:30まで)※最新情報は公式WEBサイトにて要確認
休館日 月(祝日の場合は翌平日)
観覧料 一般 1000円 / 大学生・高校生 800円(学生証を提示) / 中学生以下無料


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