葛飾北斎、歌川広重、俵屋宗達、尾形光琳、伊藤若冲ら絵師たちの情熱と想像力を込めて描いた浮世絵や金屏風、金襖絵。これらの歴史的作品が、超高精細デジタル技術と映像演出、そして巨大スクリーンによるデジタルアートとして展開される『巨大映像で迫る五大絵師─北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界─』が、9月9日(木)まで、東京・大手町三井ホールにて開催中です。
本展では、葛飾北斎の「冨嶽三十六景」と歌川広重の「東海道五拾三次」、俵屋宗達と尾形光琳が描いた2つの「風神雷神図屏風」の競演、伊藤若冲の代表作「仙人掌群鶏図」など、日本美術の名作を超高精細デジタルアートとして楽しめます。監修は、これまで東京都美術館で開催された「生誕300年記念 若冲展」など、さまざまな展覧会の監修を行った、通称「コバチュウ先生」としても人気のある江戸絵画史研究の第一人者、小林忠氏(学習院大学名誉教授 岡田美術館館長) 。
■ 日本美術史を飾った五大絵師の代表的な傑作を超高精細デジタル画像で公開
五大絵師の代表的な作品をはじめ、同時代の豪華絢爛な金屏風など、全42作品をラインナップ。上映作品が毎日入れ替わるダブルプログラムで上映されます。
上映作品は公式サイト〈開催概要〉で公開されています。
主な上映作品
葛飾北斎 冨嶽三十六景「神奈川沖浪裏」「凱風快晴」「山下白雨」、他
歌川広重 東海道五拾三次「日本橋 朝之景」「蒲原 夜之雪」「庄野 白雨」、他
俵屋宗達 国宝「風神雷神図屏風」
尾形光琳 重要文化財「風神雷神図屛風」、「菊図屏風」、「雪松群禽図屏風」
伊藤若冲 重要文化財「仙人掌群鶏図」、「百花の図」
■ 超細密データ画像の巨大映像化で描く圧巻の金世界
最新デジタル撮影技術と多分割データ画像処理技術によって、金屏風や金襖絵の金箔、切箔、金砂子、金泥などの素材や微細な凹凸などの技巧や、和紙の繊維の質感、金屏風や金襖絵は素材や、表現の緻密な部分まで再現。
尾形光琳「菊図屏風」では、実物大では分からない葉のにじみ、花びらの細かな表現、彩色など変化に富んだ描き方を見ることができます。
尾形光琳「菊図屏風」では、実物大では分からない葉のにじみ、花びらの細かな表現、彩色など変化に富んだ描き方を見ることができます。

尾形光琳「菊図屏風」※フォトタイムに撮影
伊藤若冲「仙人掌群鶏図」は、拡大することで鶏の表情までよくわかります。下の写真の場面はまるで会話しているようですね。鶏の羽の色、形の細かな表現にも注目。
■ 3面ワイド45m巨大スクリーン映像と音楽のコラボによる未知のアート体験
会場は3つのエリアで構成。
1【メイン会場】縦7m、 横45mの3面ワイドスクリーンによる圧巻の巨大映像空間。先進デジタル技術と高輝度4Kブロジェクター複数台を駆使した映像と、音楽のコラボレーションによる大スペクタクルを体験できます。動く風神雷神は画面から飛び出てきそうなすごい迫力!

尾形光琳「風神雷神図屏風」※フォトタイムに撮影
世界で最も有名な浮世絵の作品といわれる葛飾北斎 冨嶽三十六景「神奈川沖浪裏」。拡大すると、まるで手のような波の形の描き方や、舟の上の人々の表情、白い部分の和紙の繊維の凹凸まで見ることができます。実物大ではわからないデジタルアートならではの体験ですね。

葛飾北斎 冨嶽三十六景「神奈川沖浪裏」※フォトタイムに撮影
2【解説シアター】 超高精細デジタル画像で作品の細部を拡大表示し、 ナレーション(英文字幕)とともに作品をわかりやすく解説。 解説ナレーターは、光浦靖子さんが担当。細部が拡大されることによって、肉眼ではわからない複雑で奥深い彩色技法や、筆遣いなどが確認できます。解説もわかりやすく、絵師の一筆一筆にこめた想いまでが伝わってくるような気がしました。

尾形光琳「風神雷神図屏風」※フォトタイムに撮影
世界で最も有名な浮世絵の作品といわれる葛飾北斎 冨嶽三十六景「神奈川沖浪裏」。拡大すると、まるで手のような波の形の描き方や、舟の上の人々の表情、白い部分の和紙の繊維の凹凸まで見ることができます。実物大ではわからないデジタルアートならではの体験ですね。

葛飾北斎 冨嶽三十六景「神奈川沖浪裏」※フォトタイムに撮影
2【解説シアター】 超高精細デジタル画像で作品の細部を拡大表示し、 ナレーション(英文字幕)とともに作品をわかりやすく解説。 解説ナレーターは、光浦靖子さんが担当。細部が拡大されることによって、肉眼ではわからない複雑で奥深い彩色技法や、筆遣いなどが確認できます。解説もわかりやすく、絵師の一筆一筆にこめた想いまでが伝わってくるような気がしました。
3【Digital北斎×広重コーナー】 北斎「冨嶽三十六景」と広重「東海道五拾三次」からベストセレクション58作品を超高精細デジタル画像による大型モニターで紹介。拡大することで、細部の工夫が確認できたり、こんなものが描かれていたんだ~と、実物や図録などでは気がつかなかった新たな発見があったり、とても楽しめました。

Digital北斎×広重コーナー

Digital北斎×広重コーナー
人々の表情、しぐさ、持ち物など細部までよくわかります。

Digital北斎×広重コーナー
■会場内では、巨大な名画をバックに写真撮影も可能。
解説シアターの上映プログラム、3面シアターの上映プログラムは撮影禁止ですが、メイン会場では上映中のフォトタイムで巨大な名画をバックに写真撮影が可能です。
Digital北斎✕広重コーナーも撮影可能です。
Digital北斎✕広重コーナーも撮影可能です。
公式ガイドブックはミュージアムショップにて会場限定で2,200円(税込み)で販売。※書店ではお取り寄せできません。


ミュージアムショップでは、ほかにも浮世絵をモティーフにした九谷焼の皿や、うちわなども販売中。鑑賞の記念にいかがでしょうか。

とにかく楽しかった!いろいろご紹介しましたが、この凄さと迫力は体験してみないと絶対わかりません。
日本美術史を代表する五大絵師による緻密な表現を、巨大映像で鮮やかに甦らせる本展は、子供も大人も楽しめる、この夏見逃せない展覧会の一つといえそうです。
開催概要
『巨大映像で迫る五大絵師』 −北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界− 公式サイト
会期:2021年7月16日〜9月9日
会場:大手町三井ホール
住所:東京都千代田区大手町1-2-1 OtemachiOne3F
開館時間:10:30〜19:30 ※入館は閉館の60分前まで
料金:一般 2000円 / 大学・専門学生 1500円 / 中学・高校生 1000円 / 70歳以上・小学生以下無料。 期間中有効平日フリー入場券も有。



