サンダーソンアーカイブ『ウィリアム・モリスと英国の壁紙展』‐ 美しい生活を求めてが、そごう美術館で開催中です。
モリス

ウィリアム・モリス(1834-96)はイギリスで19世紀に活躍した小説家、詩人、デザイナーであり思想家。生活と芸術を一致させようとしたモリスの思想や実践(アーツ・アンド・クラフツ運動)は、20世紀デザインの源流となり、「モダン・デザインの先駆者」に位置づけられています。
この展覧会は、壁紙の流行とその変遷。モリスの登場。そして、モリス様式のエッセンスがどのように次世代に継承されていったのかを、158年の歴史を誇る英国有数の壁紙会社、サンダーソン社のアーカイブに保管されている約130点の貴重な壁紙や版木により、英国外では初めて紹介。
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ウィリアム・モリス以前・ウィリアム・モリスとモリス商会・アーツ・アンド・クラフツ運動の三部構成となっており、壁紙が発展する中で、モリスのデザインがどのような役割を果たし受け継がれたかを、シンプルな花や草のモチーフから、自然な動きと幾何学的な秩序ある法則性が絶妙なバランスを見せる後期の作例、モリスのデザインに影響を受けたデザイナーたちの作品をもとに紹介。英国壁紙デザインの発展と変遷を辿ることができます。

また、特別企画として、明治時代初期、ウィーン万国博覧会に日本から出品され、旧岩崎邸でも使用されていることで有名な「金唐革紙」の壁紙が初めて里帰り。英国壁紙の変遷を、日本の「金唐革紙」からの影響なども交えて解説しています。金唐革紙とは、もともとはヨーロッパで壁の内装に用いられた金唐革の技法を 和紙で再現し たもの。金属箔を貼った手すき和紙に,文様を彫った版木棒を重ね凹凸をつ け,彩色した皮に見える豪華な壁紙です。日本の建築にもいつくか現存しており、パネルで紹介されています。
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モリスは「美しいと思わないものを家の中に置いてはならない」と語り、手仕事からうまれる自然に根差した美しさを説いています。自然との共生、手仕事の温もり、そして簡素でも居心地の良い部屋。モリスが目指した暮らしを再現したクラシック・モリスのルームセットも展示。19世紀末から20世紀初めにかけての壁紙の魅力、ぜひ会場でご覧ください。
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会期    2019年4月20日(土)~6月2日(日)*会期中無休
開館時間    午前10時~午後8時 *入館は閉館の30分前まで
4月26日(金)-5月5日(日・祝)は 午前10時〜午後8時30分(入館は閉館の 30分前まで) *閉館時間は変更になる場合があります。
会場    そごう美術館 横浜そごう6F