畠山記念館で開催中の「開館50周年記念 THE 琳派ー極めつきの畠山コレクション」を見てきました。
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おおよそ8年ぶりとなる琳派展です。光悦、宗達、光琳、乾山、そして抱一、其一など、館蔵の琳派作品、約50件(展示替えあり)を展示しています。

賤が屋の夕顔図 酒井抱一筆
抱一の筆致は多くが力を抜いて描いたような垢抜けたものばかり。藁ぶき屋根と夕顔の棚が描かれています。
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八橋図団扇 尾形光琳筆
扇の宗達、そして団扇の光琳。両者このように称されています。光琳の団扇は弟の乾山の絵付けとちょっと似たところがあり、かなり単純化された、さらっとした描かれ方がされています。屏風を描いているときの光琳とはだいぶ印象が違う感じがします。しかしこれが非常に洒脱な風情をもっていてとってもいいのです。上の半ば適当に描いたような橋の絵がよく見えてしまうのがなんだか不思議な感じ。花菖蒲のせいでしょうか
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金銀泥四季草花下絵古今集和歌巻
本阿弥光悦書・俵屋宗達下絵 
竹(幹)、梅、躑躅、蔦が下絵に描かれ、四季の移り変わりを表しています。
下絵の調子に応じるように、歌が書かれています。 

躑躅図 尾形光琳
たらしこみによって描かれた山と渓流に、紅白のつつじが鮮やかに対比されています。重要文化財に指定されてもいます。光琳にしては珍しくだいぶ脱力して描いたようなおおらかな筆致です。つつじの描き方にはちょっと現実的なところもあり光琳らしくない気もします。ただ川・岩・つつじを箱庭的に凝縮させる光琳の空間的美意識は全くもって見事であります。こうした卓越した光琳の空間表現は宗達光琳流においても大きな特徴として捉えられます。
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曲水宴図 鈴木其一
桜の咲く中、宮中の行事、曲水宴で川の流れに乗ってくる盃に歌を詠みます。
紙と筆を取り、歌を考える、優雅な遊びです。

紅葵花蒔絵硯箱 尾形光琳作
両脇が大きく切り取られた蓋の硯箱です。
立葵と八重葎が箱の全面を覆い、葵の花は錫で花弁が描かれ、蕾には貝が使われています。
葵の葉と八重葎は金で描かれています。鮮やかな硯箱です。

今回ひな祭りということで、特別に展示されていた江戸時代の次郎左衛門雛と後ろの「春秋雛屏風」原在明は桜と風に舞う紅葉がとても美しい作品です。また茶室の雛人形も良かったです。

落ち着いた畠山のスペースで見る琳派コレクション。点数は決して多くなく、何度か見た作品も少なくありませんが、良い物はいつ見ても良い。琳派好きには嬉しい展覧会でした。